14TH ANNIVERSARY

住宅購入資金の援助を受ける際の注意点 – 「贈与税」とは?

みなさんこんにちは!岡山・倉敷で不動産売買をサポートしている、カスケ不動産の神達です。不動産を購入する際、ご親族の方から購入資金の援助を受ける方がいらっしゃいます。この際、個人から個人への贈与に対して国税の1つである「贈与税」が課税され、適用条件を満たすと非課税特例の対象とすることができます。今回は住宅購入資金の援助を受ける際の注意点として「贈与税」について解説致します。

 

「贈与税とは?」

贈与税とは申告税の一種で、個人から財産を贈与された人に課税される税金(国税)です。原則的として、1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除110万円を控除した残額に累進税率を乗じて求める暦年課税方式で課税されます。

亡くなられた親などから、お金や土地などの財産を受け継いだ(相続した)場合に課税される「相続税」の対策のために生前贈与を検討される方も多いのではないでしょうか。

生前贈与以外にも、贈与税が非課税となる特例制度(教育資金としての一括贈与や夫婦間の贈与等)を活用することで効果的な相続税軽減対策を行うことができます。今回はその1つである「住宅取得資金としての贈与」がどのように扱われるか解説します。

 

「住宅取得資金としての贈与」とは?

これから住宅購入を検討されるお客様に、カスケ不動産ではご親族様からの購入資金の援助があるか確認しています。これは、住宅購入の選択肢が増えるからという理由もありますが、その資金援助に対して贈与税が課税されるケースがあるからです。

ただし、贈与税には「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」という特例があり、父母及び祖父母である直系尊属の方から、購入する資金の贈与を受けた場合、適用条件に合えば一定の限度額までは贈与税が非課税となるので、購入資金の援助が受けやすくなります!

「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」は、令和4年度の税制改正により、適用期間が令和3年12月31日から「令和5年12月31日まで」に延長されました。国税庁が2020年6月に公表した「令和元年分の所得税等、消費税贈与税の確定申告状況等について」によると、2019年には5万8,000人が、住宅取得等資金の非課税の申告を行っています。

 

「受贈者」と「住宅」に適用条件があります

適用条件は大きく分けると「受贈者」への条件と、購入する「住宅」への条件の2つがあります。

受贈者の要件
  1. 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること。
  2. 贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること。
  3. 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は、1,000万円以下)であること。
  4. 平成21年分から令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます。)。
  5. 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、またはこれらの方との請負契約等により新築もしくは増改築等をしたものではないこと。
  6. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
  7. 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除きます。)。
  8. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住することまたは同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。

 

住宅への要件
①新築または取得の場合の要件

新築または取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40平方メートル以上240平方メートル以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

■取得した住宅が次のいずれかに該当すること。

  1. 建築後使用されたことのない住宅用の家屋
  2. 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、昭和57年1月1日以後に建築されたもの
  3. 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
  4. 上記②および③のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの

②増改築等の場合の要件

  1. 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40平方メートル以上240平方メートル以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  2. 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
  3. 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること。また、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住の用に供される部分の工事に要したものであること。

 

非課税になる限度額は?

耐震・省エネまたは

バリアフリーの住宅家屋

一般住宅の非課税枠
非課税限度額 1,000万円 500万円

取得する家屋については、新築に限らず中古でもその適用を受けることができますが、購入する住宅の性能により、非課税限度額が変わります。1000万円までの贈与が非課税となる「耐震・省エネまたはバリアフリーの住宅家屋」とは下記に該当する住宅を指します。

  1. 省エネルギー性が高い住宅:断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上
  2. 耐震性が高い住宅:耐震等級2以上または免震建築物
  3. バリアフリー性が高い住宅:高齢者等配慮対策等級3、4または5

500万円までの贈与が非課税となる「一般住宅」においては、家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下を満たした上で、「昭和57年以降に建築されている(新耐震基準適合)」もしくは「耐震基準適合証明書により耐震性能を証明できる物件」であることが条件となります。

 

特例の適用を受けるためには必ず申告を

非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に戸籍の謄本、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

 

  • 戸籍謄本(贈与者と受贈者の関係がわかるもの)
  • 令和2年分の源泉徴収票など(合計所得金額が制限額以内であることを証するため)
  • 取得、新築、増築した家屋やその敷地の登記事項証明書
  • 取得、新築した際の売買契約書や建築請負契約書の写し
  • 令和3年3月15日までに対象住宅に居住していない人は、直ちに居住の用に供することができない事情などを記載した書面

※上記の他にも住宅性能証明書、建設住宅性能評価書の写し、増改築等工事証明書等が必要な場合があります。

 

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